「歯ぐきから血が出るけれど、痛くないからそのままにしている。」
「歯ぐきが少し腫れているけれど、そのうち治るだろう。」
「年齢とともに歯がぐらつくのは仕方ない。」
上記は歯周病が進行しているサインなんです!!
このように考えて、歯周病を放置してしまっている方は少なくありません。
しかし、歯周病は自然に治る病気ではなく、放置すればするほど進行する慢性の感染症です。また、誰にでも起こりうる病となんです・・・!
しかも、その影響はお口の中だけにとどまりません。歯周病菌や炎症は全身の健康にも影響を及ぼすことが分かってきており、糖尿病や心疾患、認知症などとの関連も数多く報告されています。
今回は、歯周病を放置することで起こるリスクについて詳しく解説します。
歯周病とはどんな病気?
歯周病は、歯と歯ぐきの境目にたまった細菌(歯周病菌)が原因となって起こる感染症です。
初期には歯ぐきの腫れや出血程度で、自覚症状がほとんどありません。そのため「サイレントディジーズ(静かな病気)」とも呼ばれています。
しかし、症状が少ないからといって安心はできません。
歯周病はゆっくりと進行し、歯を支える骨(歯槽骨)を少しずつ溶かしていきます。
気づいたときには重度まで進行し、「抜歯しかありません」と診断されるケースも珍しくありません。
① 歯が抜けてしまう
歯周病で最も深刻な問題は、歯を失うことです。
日本では、40歳以上で歯を失う原因の第一位が歯周病とされています。
歯周病菌は歯ぐきだけでなく、歯を支える骨にも炎症を引き起こします。
その結果、
・歯ぐきが下がる
・歯が長く見える
・歯がぐらぐらする
・噛むと痛い
・硬い物が噛めない
といった症状が現れます。
さらに進行すると、歯を支える骨が大きく失われ、最終的には歯が自然に抜けてしまうこともあります。
歯を一本失うだけでも、噛み合わせのバランスは大きく変化します。
隣の歯が傾いたり、噛み合う歯が伸びてきたりすることで、お口全体の機能が低下し、他の歯にも負担がかかります。
一本の歯を失うことが、将来的に複数本の歯を失うきっかけになることもあるのです。
② 気になる口臭の原因になる
「最近、家族から口臭を指摘された。」
「自分でも朝起きたときの口臭が気になる。」
その口臭の原因は歯周病かもしれません。
歯周病菌は、タンパク質を分解する際に強い臭いを発生させます。
代表的なのが、
・硫化水素
・メチルメルカプタン
・ジメチルサルファイド
といった揮発性硫黄化合物です。
これらは「腐った卵」や「生ごみ」のような強い臭いの原因になります。
また、歯周病が進行すると歯周ポケットから膿が出ることもあり、これがさらに口臭を悪化させます。
市販のマウスウォッシュやガムで一時的に臭いを抑えることはできても、歯周病そのものを治さなければ根本的な改善にはつながりません。
「口臭が気になる」というサインは、お口からのSOSかもしれません。
歯周病を根本から治すことによって口臭も改善していくと言われております。
③ 糖尿病との深い関係
歯周病と糖尿病は、お互いに悪影響を及ぼし合う「双方向の関係」があることが知られています。
糖尿病になると免疫力が低下し、歯周病菌に感染しやすくなります。
一方で、歯周病による炎症が続くと炎症性物質が血液中に放出され、インスリンの働きを妨げるため、血糖値のコントロールが難しくなることがあります。
つまり、
糖尿病になる
↓
歯周病が悪化する
↓
歯周病の炎症が強くなる
↓
さらに血糖値が悪化する
という悪循環が生じるのです。
近年では、歯周病治療を受けることでHbA1c(ヘモグロビンA1c)が改善する可能性も報告されています。
糖尿病の治療というと食事や運動、薬を思い浮かべる方が多いですが、お口の健康を整えることも全身管理の一つとして重要です。
④ 心疾患との関係
歯周病菌はお口の中だけにとどまるわけではありません。
歯ぐきの炎症部位から血管内へ入り込み、全身を巡ることがあります。
その結果、血管の炎症や動脈硬化に関与し、
・心筋梗塞
・狭心症
・脳梗塞
などのリスクとの関連が指摘されています。
もちろん、歯周病だけが原因でこれらの病気になるわけではありません。
しかし、高血圧や脂質異常症、喫煙などと同じように、歯周病も全身の健康に影響する一つの危険因子として考えられています。
近年では「歯周病はお口の病気ではなく、全身の病気」と言われるようになった理由もここにあります。
⑤ 認知症との関連
高齢化が進む日本では、認知症への関心も高まっています。
近年の研究では、歯周病と認知機能低下との関連についても注目されています。
歯周病菌による慢性的な炎症は全身に影響を及ぼし、その一部が脳にも関与している可能性が示唆されています。
また、歯を失うことでしっかり噛めなくなると、脳への刺激が減少し、認知機能の低下につながる可能性も考えられています。
さらに、歯が少なくなることで食事内容が偏り、栄養状態が悪化しやすくなることも、健康寿命に影響を与える要因の一つです。
お口の健康を守ることは、将来の生活の質(QOL)を維持することにもつながります。
歯周病は早期発見・早期治療が何より大切
歯周病は、初期であれば適切なクリーニングやブラッシング指導によって改善が期待できます。
しかし、重症化すると治療期間も長くなり、外科処置や高度な歯周病治療が必要になることがあります。
近年では、ブルーラジカル治療のように、歯周病菌へ積極的にアプローチする新しい治療法も登場しています。
歯周病の進行度やお口の状態に応じて治療法を選択することで、大切な歯を残せる可能性が広がるケースもあります。
当院では、ブルーラジカルといった最新治療や保険適応のフラップオペなど歯周病の進行を抑制する治療が様々ございます。当院では、患者様のニーズに合わせて最適な治療をご提案しております。悩まれている方は是非、当院にご相談ください!!
まとめ
歯周病は「歯ぐきの病気」と軽く考えられがちですが、放置すると次のようなさまざまなリスクにつながる可能性があります。
・歯を失う
・口臭が強くなる
・糖尿病のコントロールが難しくなる
・心疾患や脳血管疾患との関連
・認知機能低下との関連
初期の歯周病は自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行していることも珍しくありません。
だからこそ、痛みがなくても定期的に歯科医院で検診を受けることが大切です。
「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「歯がぐらつく」「歯周病と言われたことがある」という方は、症状が軽いうちに受診することで、将来の歯を守れる可能性が高まります。
当院では、精密な歯周病検査を行い、一人ひとりのお口の状態に合わせた治療をご提案しています。
いつまでもご自身の歯でおいしく食事を楽しむために、今こそ歯周病と向き合ってみませんか?



