厚生労働省の面白い記事があったので要約して皆様にご紹介します
厚生労働省の職員はこんな想いで政策をつくられていらっしゃるのだなと思い、皆様にもシェアしたいと思い、ご紹介します。また、国の政策によって当医院でできる取り組みについても合わせてお伝えします!
―年代別に考える予防と口腔ケアの重要性―
「好きなものをおいしく食べる」「家族や友人と楽しく会話をする」。こうした日常の当たり前は、実は歯と口の健康によって支えられています。歯や口の状態は単に“食べるための器官”というだけでなく、全身の健康や生活の質(QOL)、さらには健康寿命にも深く関係しています。
近年、日本では平均寿命が延び、「人生100年時代」と言われるようになりました。しかし、長生きするだけではなく、元気に生活できる期間をいかに延ばすかが大きな課題となっています。その中で注目されているのが「歯と口の健康」です。
厚生労働省は、歯科口腔保健の推進を重要な政策として位置づけ、子どもから高齢者まで、すべての世代に対する口腔ケアや予防歯科を推進しています。本稿では、歯と口の健康がなぜ重要なのか、年代別にどのような問題が起こるのか、そしてどのような予防やケアが必要なのかについて詳しく解説します。
歯と口の健康が全身の健康を左右する
歯や口の健康というと、多くの人は「むし歯にならないようにすること」を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、歯や口の健康は全身の健康状態と密接に関係しています。
例えば、歯周病は糖尿病や心疾患、脳血管疾患などとの関連が指摘されています。また、噛む力が弱くなると食事の内容が偏り、栄養不足につながります。さらに、口の機能が低下すると会話が減り、人との交流が少なくなり、社会的孤立や認知機能の低下を招く可能性もあります。
つまり、歯と口の健康を守ることは、「食べる」「話す」「笑う」という人間らしい生活を支えるだけでなく、心身の健康全体を維持するために欠かせないのです。
むし歯と歯周病はなぜ起こるのか
〈むし歯〉 むし歯は、歯に付着した歯垢(プラーク)の中で細菌が増殖し、糖分を分解して酸を作り出すことで発生します。この酸によって歯の表面が溶け続けると、歯に穴が開き、むし歯になります。 特に、甘い飲み物やお菓子を頻繁に口にする習慣は、むし歯のリスクを高めます。また、歯磨きが不十分だと細菌が増殖しやすくなります。
〈歯周病〉
歯周病は、歯垢の中の細菌が歯ぐきに炎症を起こす病気です。初期段階では歯ぐきが赤く腫れたり出血したりする「歯肉炎」が起こります。さらに進行すると、歯を支える骨が溶けてしまう「歯周炎」になります。
歯周病は自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行し、最終的には歯を失う原因になります。現在、日本人が歯を失う最大の原因はむし歯ではなく歯周病だと言われています。
歯科においてライフステージ別に何を重点に考えていったら良いかをご紹介します。
子どもの口腔ケアの重要性
〈乳幼児期のケア〉
子どもの歯は、生後半年ほどで乳歯が生え始めます。この時期から口腔ケアを始めることが重要です。
乳歯は永久歯より柔らかく、むし歯になりやすい特徴があります。また、乳歯の健康状態は将来の永久歯にも大きな影響を与えます。
そのため、保護者による仕上げ磨きやフッ素入り歯磨き粉の使用、甘い飲食物の与え方に注意することが必要です。
さらに、1歳6か月健診や3歳児健診では、むし歯の有無だけでなく、「食べる」「飲み込む」「話す」といった口腔機能についても相談できます。
口腔機能発達不全症とは
最近では、「口腔機能発達不全症」という言葉も注目されています。
これは、年齢に応じた口の機能が十分に発達していない状態を指します。例えば、
●食べるのに時間がかかる
●うまく飲み込めない
●発音が不明瞭
●口をぽかんと開けている
といった特徴があります。
背景には、柔らかい食べ物中心の食生活や、口周りの筋力不足などがあるとされています。
子どもの頃に十分な口腔機能が育たないと、将来的な歯並びや発音、食事の問題につながる可能性があります。そのため、早期発見と適切な指導が重要です。
当院でも口腔機能発達不全症がないか定期的に検査を行い、チェックしております。具体的には「舌の力の検査」や「唇の力の検査」などを行っています。
学齢期に大切なこと
小学校から高校にかけては、永久歯が生えそろい、顎や顔の成長が進む大切な時期です。
この時期には学校歯科健診が毎年行われます。むし歯の早期発見だけでなく、歯並びや噛み合わせの確認も重要な目的です。
また、部活動や受験勉強などで生活習慣が乱れやすくなる時期でもあります。ジュースやスポーツドリンクを頻繁に飲んだり、夜遅くの飲食が増えたりすると、むし歯リスクが高まります。
学齢期には、自分で歯を守る意識を育てることが重要です。
成人期に増える歯周病
20代から50代にかけて増えるのが歯周病です。
仕事や子育てで忙しくなると、歯科医院への受診が後回しになりがちです。しかし、歯周病は痛みが少ないため、気づいた時にはかなり進行していることがあります。
近年では、日本人の多くが歯を残せるようになってきました。いわゆる「8020運動」の成果により、80歳で20本以上歯を残している人が増えています。
しかし、歯が残っているからこそ、その歯を維持するための管理が重要になっています。特に歯周病対策は、生涯にわたる課題です。
成人期には、
●毎日の歯磨き
●フロスや歯間ブラシの使用
●定期的な歯石除去
●禁煙
●バランスの良い食生活
などが重要になります。
当院ではプロフェッショナルケアとして歯周病安定期治療(以下SPT)いわゆる保険で行えるクリーニングを定期的にしていただくことをおすすめしております。また当院はかかりつけ歯科医機能強化型診療所です。一般的には3か月毎ですがお口の状態に合わせて1か月~3か月毎にSPTを行うことができます!
オーラルフレイルとは何か
高齢期になると、「オーラルフレイル」が問題になります。
オーラルフレイルとは、口の機能が少しずつ衰えていく状態のことです。
例えば、
●硬いものが噛みにくい
●むせやすい
●滑舌が悪くなる
●口が乾く
●食べこぼしが増える
といった変化が現れます。
一見すると小さな変化ですが、放置すると食事量が減り、栄養不足や筋力低下、要介護状態につながる可能性があります。
そのため、高齢者では歯の本数だけでなく、「口の機能」を維持することが重要になります。
当院でも50歳以上の方に口腔機能低下症が無いか検査しております。「舌の力の検査」と「咀嚼の検査」をさせていただき、数値が悪いと項目を増やして口腔内の乾燥や唇や舌の動きの速さ、筋力なども検査します。
高齢期の口腔ケア
高齢になると、通院が難しくなる人も増えます。病気や入院をきっかけに歯科受診が途切れてしまうことも少なくありません。
しかし、だからこそ定期的な口腔ケアが重要です。
高齢期には、
●舌の体操
●唾液腺マッサージ
●入れ歯の管理
●訪問歯科診療の利用
などが有効です。
特に、口からしっかり食べられることは健康寿命を延ばすうえで非常に重要です。
「食べる力」は、生きる力そのものと言っても過言ではありません。
当院でも訪問診療を行っています。訪問診療が行えるのは歯科医院に通うことが困難であるなどのある程度の条件が必要になってきます。
セルフケアとプロフェッショナルケア
歯と口の健康を守るには、「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」の両方が必要です。
〈セルフケア〉
●毎日の歯磨き
●フロス・歯間ブラシ
●食生活の改善
●禁煙
〈プロフェッショナルケア〉
●定期歯科健診
●歯石除去
●フッ素塗布
●早期治療
どちらか一方だけでは十分ではありません。
毎日のケアで予防しつつ、歯科医院で専門的なチェックを受けることが重要です。予防歯科が今は主流です、むし歯を治すために行くのではなく、むし歯にならないように定期的にクリーニングをするという考えが主流です。
かかりつけ歯科医を持つ意味
厚生労働省は、「かかりつけ歯科医」の重要性も強調しています。
かかりつけ歯科医とは、生涯を通じて継続的に口腔管理をしてくれる存在です。
単なる治療だけでなく、
●定期健診
●予防指導
●口腔機能の相談
●他の医療機関との連携
●訪問歯科
など、幅広い役割を担っています。
体調や生活背景を理解してくれる歯科医がいることは、長期的な健康維持に大きな安心感を与えます。
予防歯科の時代へ
これからの時代は、「悪くなったら治療する」のではなく、「悪くならないように守る」ことが重要です。
そのためには、
●若いうちからの予防習慣
●定期的な歯科受診
●ライフステージに応じたケア
が欠かせません。
歯と口の健康は、見た目だけでなく、食事、会話、社会参加、全身の健康にまで影響します。
人生100年時代を元気に生きるために、今こそ歯と口の健康について見直すことが大切です。
「自分の歯で食べる」「人と楽しく話す」という当たり前の幸せを守ることが、豊かな人生につながっていくのです。
年代別にやるべき予防とお口のケアを紹介。歯と口の健康が生活の質を爆上げする|厚生労働省(https://mhlw-communication-gov.note.jp/n/n0a5e3b0e10ef)



