今回は前回の続きのブルーラジカルについてです!
4. 東北大学が行った「運命の実験(RCT)」
今回のニュースの本丸である、研究チームが行った実験内容について詳しく見ていきましょう。
研究チームは、このラジカル殺菌治療器が、本当にこれまでの治療法と比べて効果があるのか、人間の患者さんを対象に厳密なテストを行いました。これを「ランダム化比較試験(RCT)」と呼びます。信頼性が最も高いとされる実験方法です。
実験では、中等度から重度の歯周病に悩む患者さんたちを、以下の3つのグループにクジ引き(ランダム)で分け、治療後の経過を追いかけました。
比較した3つのグループ
すべてのグループで最初に行っている「基本の歯石取り」は、超音波の振動などを使って、取れる範囲の汚れを大まかに落とす共通の処置です。
実験のポイントは、「1回だけ最新の機械でシュッと治療したGroup 1」が、「4週間もかけて何度も真面目に抗生剤を塗り続けたGroup 2」に勝てるのか、それとも負けてしまうのか、という点にありました。
5. 実験結果の解説:データが証明した驚きの真実
さて、治療を行ってからしばらく経った後、患者さんたちの歯周ポケットの中がどうなったかを調べたところ、驚くべき結果が出ました。
プレスリリースの文章を、3つの発見に分けて分かりやすく解説します。
発見①:殺菌効果は「1回」で「何度も塗る薬」と同等だった!
『Group 1 の歯周ポケット内の歯周病原因菌は、Group 3 よりも有意に少なく、Group 2 と同程度であることが分かりました。従いまして、ラジカル殺菌治療器による単回の治療は、抗生剤ゲルを繰り返し投与する方法と同等の殺菌作用を示すことが分かりました。』
噛み砕き解説:
当然ですが、何も追加治療をしなかったGroup 3に比べると、新型機械(Group 1)も抗生剤(Group 2)も、劇的に菌が減っていました。
そして何より凄かったのは、「たった1回だけラジカル殺菌をしたGroup 1」と「何度も通院して薬を塗りまくったGroup 2」を比べたとき、ポケットの中に残っている菌の少なさが、ほぼ同じ(同程度)だったということです。
何回も薬を塗る手間が、最新の機械なら1回で済んでしまうことが科学的に証明された瞬間です。
発見②:薬を塗り続けると、かえって「治り」が悪くなる!?(ここが一番重要)
『Group 2 では歯周病原因菌は減少したものの、繰り返し抗生剤ゲルを投与することで長期間にわたって歯周ポケット内に異物が存在することになり、歯周組織の治癒に影響を与えたため、Group 1 よりも深い歯周ポケットが残ったものと考えられます。』
暗雲立ち込める従来治療(Group 2):
ここが今回の研究の最大のハイライトです。菌の減り具合は同じだったのですが、「最終的に歯茎がどれだけ綺麗に治ったか(歯周ポケットがどれだけ浅くなったか)」を比べると、なんと新型機械を使ったGroup 1のほうが、圧倒的に綺麗に治っていたのです。
なぜ薬を使ったのに治りが悪かったのか?:
先ほどのデメリットで触れた通り、Group 2で使った抗生剤の「ゲル(ネバネバ物質)」が犯人でした。菌を殺すために何度も何度もその薬をポケットの奥に流し込んだ結果、そのネバネバが「異物」として長期間そこに居座ってしまいました。
せっかく菌がいなくなって、歯茎が「よし、歯の根元にピタッとくっついて、ポケットを塞ぐぞ!」と再生しようとしたのに、その薬の残骸が邪魔をして邪魔をして、結局しっかり塞がることができず、深いポケット(=また菌が溜まりやすい危険な溝)が残ってしまったのです。
新型機械(Group 1)の圧勝:
一方で、ラジカル殺菌治療器は、光を当てた瞬間に菌を全滅させ、その後はただの水と酸素になって消え去ります。ポケットの中は「完全に身軽で、障害物が何もない状態」になります。そのため、人間の体が持つ本来の治癒力(治ろうとする力)が100%発揮され、歯茎が綺麗に歯の根元に密着し、ポケットがグッと浅く治ったのです。
発見③:中等度・重度の歯周病に「本当に効く」と判明
『以上の結果より、ラジカル殺菌歯周病治療器を用いた治療は、中等度・重度の歯周炎治療において有効であることが明らかになりました。』
噛み砕き解説:
これまでは、アゴの骨が溶けかかっているような重い歯周病の患者さんに対しては、「歯茎をメスで切り開いて奥の汚れを目で確認しながら削り取る」といった、外科手術のような痛い治療が行われることも珍しくありませんでした。
しかし、このラジカル殺菌治療器を使えば、切ったり大がかりに削ったりしなくても、奥深くの菌を安全に仕留めて、しかも綺麗に治すことができる。つまり、重症の患者さんを救う強力な選択肢になるということが、この実験によってハッキリと確認されたのです。
6. この研究がもたらす「私たちの未来の歯科治療」
この東北大学の発表を受け、私たちのこれからの歯医者さん通いはどのように変わっていくのでしょうか? 期待される未来のメリットをまとめてみました。
メリット1:歯医者に通う回数が激減する
これまでは「今週も薬を入れに行かなきゃ…」「来週もまたチェックと薬の補充…」と、何ヶ月もダラダラと通い続ける必要がありました。
この治療器が導入されれば、1回の治療でガツンと殺菌が終わるため、通院の手間や時間が大幅にカットされます。忙しい現代人にとって、これほど嬉しいことはありません。
メリット2:痛い・怖い治療からの解放
麻酔をして、暗いポケットの奥を金属の器具でガリガリやられるあの不快な振動や痛み。想像するだけで歯医者さんに行きたくなくなりますよね。
ラジカル殺菌は、水(過酸化水素)を入れられて青い光を当てられるだけなので、基本的に痛みがありません。「歯医者が怖くて足が遠のいているうちに歯周病が悪化してしまった」という人たちを救うきっかけになります。
メリット3:自分の歯を長く残せる(健康寿命の延伸)
歯周ポケットが綺麗に、そして深く残らずに浅く治るということは、「治療の後に歯周病が再発しにくい理想的な状態になる」ということです。
結果として、高齢になっても自分の歯をたくさん残すことができ、美味しいものを自分の歯で噛んで食べ続けられる人生に繋がります。
メリット4:全身の病気の予防にもなる
近年の医学では、「歯周病菌が血管に入り込んで全身を巡ると、様々な大病を引き起こす」ことが分かっています。
具体的には、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病の悪化、さらには認知症(アルツハイマー病)や、妊婦さんの早産リスクにまで歯周病菌が深く関わっていると言われています。
お口の中をこの画期的な機械で清潔に保つことは、単に歯を守るだけでなく、**体全体の寿命を延ばすこと(全身の健康管理)**に直結しているのです。
7. まとめとこれからのスケジュール
最後に、プレスリリースの締めくくりの部分について解説します。
『今後、東北大学と企業で新規医療機器の承認取得に向けた取組を行い、早期の臨床導入を目指します。本研究は、革新的医療機器創出促進事業(宮城県、厚生労働省)の支援を受けて行われました。』
いつ頃、歯医者さんで受けられるようになる?
「こんなに素晴らしい治療なら、今すぐ受けたい!」と思いますよね。
しかし、新しい医療機器を日本のすべての歯医者さんで使えるようにするためには、国のルール(厚生労働省)に基づいて、「新規医療機器の承認」という厳しい審査をパスしなければなりません。これは、安全面や効果に嘘偽りがないかを国が最終チェックするステップです。
今回の発表は、その承認を得るための最大の武器となる「素晴らしい実験データ(RCTの結果)が取れました!」という報告です。
現在は、東北大学と共同開発している企業がタッグを組み、国から「販売していいよ」という許可をもらうための手続き(取組)を進めている最中です。
また、このプロジェクトは国(厚生労働省)や宮城県からのバックアップ(革新的医療機器創出促進事業)を正式に受けている国家レベルの期待の星なので、手続きはかなり優先的、かつスピーディーに進むことが期待されています。
遠くない未来、近くの歯科医院の診療台に「青い光の出る優しい殺菌治療器」が当たり前のように置かれ、誰もが痛みのない、短期間の歯周病治療を受けられる日がやってくるでしょう。その最先端の扉を、日本の東北大学がこじ開けた、というのが今回のニュースの全貌です。
非常に長くなりましたが、この画期的な研究の凄さと、それがもたらす明るい未来について、イメージが湧きましたでしょうか?
当院ではブルーラジカルを導入しています!ぜひ、ブルーラジカルのすごさを体感していただきたいです✨




